中国銀行・中国工商銀行の日本支店で開設した口座は微信支付(WeChat Pay)や支付宝(Alipay)の決済口座になるか?
※これは2016年10月26日のFacebookグループ、ニコ技深圳コミュニティへの投稿をhatenablogへ再掲したものです。最新の状況は当時と異なる可能性がありますのでご自身でご確認下さい。
元投稿はこちらです。
https://www.facebook.com/groups/ntshenzhen/permalink/1170513503031599/
元投稿には他にも色々な有益情報が寄せられたスレッドが付いているので、そちらも一通り参考になると思います。
そもそもなぜ中国系銀行の日本国内支店の口座を開設しようと思ったのか
以前中国に住んでいた際には現地の銀行口座を使っていたが、今は生活拠点が日本なので現地の銀行口座では何かと不便。全てとは言わないまでも、ある程度現地の銀行口座と同じように使えるなら日本国内支店の口座で代替えしたい。
①微信支付(WeChat Pay)の決済口座として使えるといいな
②日本で開設した口座と中国で開設した口座を紐付けて送金ではなく振替できればいいな
③②が出来ないのなら日本で人民元に両替あるいは預入して中国の自分の口座へ人民元立てで送金したい
④日本で人民元に両替あるいは預入して人民元口座に置いておき、中国でATM現金引き出しあるいは銀聯(UnionPay)決済したい
モチベーションとしてもだいたいこの順番です。
出来ることと出来ないこと
①②は出来ませんでした。
③は、日本のマルチマネー口座で人民元にしてしまうと、中国の個人口座へ人民元で送金出来ないとのことです。中国の受け取り側の個人口座が人民元で受け取れるのが身分証のある中国人のみであるからで、日本人の私が自分の口座へ送金するのはは米ドルあるいは日本円での送金が必須です。これだったら別に新たに中国系の銀行口座を開設しなくてもCitibankでも同じことが出来るので意味が無いです。(外貨で着金すると現地の銀行で両替しなければならずこれが面倒なので省略できないかなと思ったのでした)
④は出来ます。マルチマネー口座なので中国元口座に残高が無ければ自動的に日本円口座から引き落とされます。が、デビットカード決済になるのでこの口座に予め資産を預け入れておく必要があります。今銀聯(UnionPay)のカードを1つも持っていないのであれば意味があるかもしれませんが、個人的には三井住友銀行の銀聯(UnionPay)クレジットカードを作って、後払い&決済口座は普段使っている銀行口座とした方がはるかに使い勝手は良いと思います。
メリットがあまり無い割にはイケてない点はたくさんあります。
- 外資の銀行なので預金保護の対象にならない
- 銀行カードは中国で現金引き出しは出来るが預け入れは出来ない
- 現地ATMで人民元現金引き出しに毎回手数料がかかる
(銀聯カード決済であれば手数料無料) - 日本円→人民元の両替は店舗窓口に来ないと出来ない(オンラインバンキングでは出来ない)
↑これは中国工商銀行のみ。中国銀行ではオンラインバンキングで出来るそうです。
結論
「中国国内の銀行口座の代替えにはならない」
日本住在の日本人が、出張や旅行などで中国へ渡航する際に使うという目的であれば、中国系銀行の日本国内支店に口座を作る意味はあまり無いと思いました。日本在住の中国人であれば、人民元での送金が出来るのである程度意味があるかと思います。
「微信支付(WeChat Pay)の決済口座として」というのが一番大きなモチベーションだったのですが、「現時点では」出来ないというような言い方をしていたのでもしかしたら将来的には使えるようになるのかも知れません。そうしたら一躍使える口座になるかと思います。
因みに銀聯(UnionPay)決済カードを持ちたいのであれば三井住友銀行のカードがオススメです。ちょくちょく中国へ行く方はこれ作っておくと便利だと思います。キャッシング(ATMでの人民元引き出し)は出来ませんがそれは普段使いのクレジットカードで事足りると思います。
やっぱり中国現地の銀行口座は必要ですね。自分の中国工商銀行の口座は2013年の未確認口座一斉凍結の際に凍結されたままになってるような気がします。次回行った時に手続きしないとなぁ。
長文失礼しました。m(__)m
上海で銀行口座開設
アップデート
2018年3月19日
- 上海で「外国人は網上支付使えない」と言われた平安银行ですが、上海で作った口座を、深圳の支店で網上支付を開通することが出来ました。
上海で銀行口座開設のため銀行巡り
今回の上海滞在で可能な限り銀行口座を作りまくってみようと思ってあちこちチャレンジしてみたのですが、想像してたよりもずっと厳しかったです。
ただ改めて色々とわかったことも多かったので、今週末のMKF深圳行きの際に銀行口座開設を目論んでいる方も多いと思うので、参考になればと思いレポートします。
まず、改めて思ったのが、全国展開している銀行でも、上海と深圳と北京では全く事情が異なるということです。同じ看板を掲げていても実際には省毎(単位の大きさは不明ですが)に別の会社なので内規が異なるようです。イメージとしては、中国联通や中国移动のような感じでしょうか。上海では「現地の就業証明(工作証明)が必要」とあちこちで言われ、在住ビザについては問わない感じでした。「就労ビザのことか?」と聞いても「ビザじゃダメ」とのこと。ある意味これは対策しやすいというか、どこか知り合いの会社に頼んで形だけ書類発行してもらうとか、ちょっとリスキーだけど偽造しちゃうとか、なんとかしようがあるんじゃないかなと思います。居留許可証となる留学ビザや就労ビザは大使館・領事館が発行するので正規の手続きをふまないと手に入らないので。
一方、ちょうど先週、後輩が深圳で銀行口座作成にチャレンジした際には、どの銀行でも一様に「臨時居留証」を持ってこいと言われたそうです。これは詳しく聞いてみるとどうやら以前話題になった外国人臨時居留登記証(境外人员临时住宿登记单)のことのようでした。後輩はホテルが出してくれなかったので結局銀行口座は作れなかったのですが、これを持って行けば口座開設出来るのならかなり難易度は低いように思います。一点注意として、ホテルは昼間に公安に持って行って登記手続きするので、夕方以降にホテルに着いたら次の日の夕方以降でないと公安のスタンプが押してある外国人臨時居留登記証は手に入りません。なのでそれを持って銀行口座開設にチャレンジしようと目論んでる人は注意して下さい。公安のスタンプが押してないとダメということなので。ホテルのフロントで外国人臨時居留登記証のコピーをくれと言えばコピーしてくれます。ちなみに上海ではこれは一回も求められませんでした。北京でも中国工商銀行と华夏銀行で口座開設成功例を聞きましたがこれは求められなかったとのことです。
全般的な感想としては、外国人の銀行口座開設は相当に難しくなってきており、交渉で押し切れるような感触は無く、支店による差も無くなってきているように思いました。また、窓口の人によってはあまり詳しく把握してない人もいたのですが、誰かしら詳しい人はいるので確認されちゃうと結局はダメということになり、運良くわかってない人に当たったら出来ちゃったというのもあまり期待出来ない感じでした。
以上、地域毎の大まかな傾向の情報でした。
以下、銀行毎の結果をレポートします。
今回私は拉卡拉手环で使える銀行の口座が欲しかったので、招商银行、光大银行、平安银行、广发银行、西安银行、宁夏银行の中からチャレンジしました。最後の2つは上海に無かったので、実質的には招商银行、光大银行、平安银行、广发银行の4つ。
●招商银行
三箇所ほど支店を回ったのですが全て「現地の就業証明(工作証明)が必要と言われました。ホテル滞在ではだめでこちらにちゃんと住居が無いとダメと言われた支店もありました。
窓口でなく受付のおばちゃんも同様の回答が返って来たので徹底されていると思われます。
中国銀行と並んで開設難易度高の銀行リスト入り。
●光大银行
二箇所ほど支店を回ったのですが全て「現地の就業証明(工作証明)が必要」と言われました。
光大银行は日本のATMでの引き出しが月に何回かまで無料なのでぜひ作りたかったのですが断念しました。
●平安银行
パスポートのみで口座開設出来ると言われ開設はあっさり成功。納税番号書くところもあったので記入するべき?と聞いたら不要と言われました。
しかしようやく拉卡拉手环対応銀行の口座が手に入ったと思って拉卡拉手环に設定しようとしてもうまくいかず、支付宝の設定も出来ず。銀行のアプリで色々と見てみたら網上支付が有効になっていないような感じだったので、後日改めて窓口に行って「網上支付使えるようにしたいんだけど」と言ったら「外国人は網上支付使えないです」と言われ、「えー!」と絶句。他の銀行もそうなの?と聞いたら「中国銀行とか工商銀行とかは出来るからそちらへどうぞ」とのこと。
一応作るには作ったけど住んでない外国人にとって網上支付が使えないなんて全く意味が無いので、この口座はおそらく放置されることでしょう。(前述の通り深圳でも同様かは不明)
●广发银行(広発銀行)
聞いたことも無かったマイナーな銀行で、調べたら上海に一店舗しかないようなのですが、たまたま泊まっていたホテルの近くだったので拉卡拉手环対応銀行最後の砦として行ってみたところ、口座開設出来ました。
マイナーな銀行で土曜日で客もほとんどいなかったためか、支店長級の落ち着いたおばさんが終始親切に対応してくれて、銀行アプリの設定も銀行にいるうちに全部済ませてお店出ていく時に笑顔で挨拶され、こんな好感度の銀行は初めてでちょっと感動でした。お役所対応の中国銀行はほんと見習って欲しい。
念願の拉卡拉手环にも設定することが出来て、今回の目標は一応達成しました。广发银行なんてマイナーなのでATMはほとんど見かけませんが、もはや完全に電子マネー天国と化した中国では現金を引き出すということがほとんど無いのでATMが多いということはあまり重要ではないと思います。
めでたく拉卡拉手环で闪付が使えるようになったので、いくつか対応銀行以外もチャレンジしてみました。
●中信银行
土曜日で2時間待たされた後窓口で、外国人の口座開設は月から金までの平日に来店するように言われたので再訪しませんでした。(これはこの支店の事情だったと思われます。外国人の口座開設は麻烦だからと言われました。人員の少ない土曜日は受け付けないということでしょう。)
パスポートで開設は可能と言われましたが完遂していないので本当に開設までいけるのかは不明。でも窓口で平日に来店するように言われたのでおそらく口座開設可能なんじゃないかなと思われます。
●华夏银行
納税番号とパスポートがあれば作れるとのことでしたが、なんと!外国人は一年毎に口座の更新が必要とのこと。
「他の銀行はそんなことないけど?」と言ったら「そうなんだよねー、昔と状況が違うので」とのこと。
窓口のお姉さんに「作れることは作れるけどそういうわけだからオススメしないですよ。向かいの农业银行に行ったほうがいいよ。」と言われました。(笑)
华夏は光大银行と並んで日本でのATM引き出しが月に何回かまで手数料無料なので作りたかったんだけど、さすがに毎年更新は実用的じゃないので「じゃぁいいです」と諦めました。
●建設银行
パスポートのみであっさり口座開設成功。
納税番号は記入させられました。
就業証明(工作証明)もビザも何も聞かれなかったので、今回一番容易に口座開設出来ました。
●农业银行(農業銀行)
パスポートでも開設出来ることは出来るけど、書類を提出して審査が通らないと開設出来ない、審査通過はいつになるかわからないし長い時間がかかるから激しくオススメしないよ、と言われたので断念しました。
案内係のおばちゃんが「审批」が必要と盛んに言ってたのですが、最初「审批」と聞いてもわからなくて紙に漢字を書いてもらっても意味が分からず。(笑)「审批」って何?と聞いて説明されても全然分からなかったので日本語が出来る中国人に電話して代わって説明してもらうことに。
人のいい案内係のおばちゃんに「あっちにちょっと歩いていくと工商銀行があるからそこ行きな」と親切にも他行を勧められましたが、あちこちの銀行で勧められる中国工商銀行は偉大ですね。「ありがとう、でも中国工商銀行の口座はもう持ってるんだよねー」と思いながら农业银行を後にしました。
以上、銀行口座の開設を目論んでいる皆様の参考になれば。
でも前述の通り、上海と深圳では全く状況が異なると思われるので、銀行個別の状況は全く参考にならないかもしれません。あくまで「こういうケースもあった」という参考になれば。
あとおまけ情報ですが、銀行巡りするならMobikeのアカウントを開いて使えるようにしておいた方がいいです。Mobikeあるのとないのとでは回れる数が全然変わってきますので。Mobikeアカウントは日本の電話番号と日本のクレジットカードで作れます。もし中国の電話番号を持っているなら、電動自転車(享骑电单车 http://www.xqchuxing.com/)の方がオススメかも。Mobikeは降りて銀行に入るたびに返却しないといけないけど、享骑电单车はロックしてキープ出来るので、銀行に入って聞くたびに新たにレンタルする必要がありません。ただしMobikeと違って返せる場所が限定されているので、どこにでも乗り捨てられるわけじゃないのがちょっと難点ですが、銀行巡りには向いていると思います。
支付宝のセットアップ 〜日本の電話番号とパスポートでアクティベーション
支付宝(Alipay)は、以前は中国の電話番号さえあれば他に何も認証要素が無くても全ての機能が利用出来るまでセットアップ出来たのですが、現在ではそれだけでは完全なアクティベーションが出来なくなってしまいました。(私が確認した限りでは、2018年の2月から4月あたりの時期にこの仕様変更があったようです)
仕様変更の確認後、色々と試行錯誤と情報収集を繰り返し、支付宝(Alipay)を日本の電話番号で、クレジットカードの認証+パスポート情報の登録だけでアクティベートする手順を確認出来たのでご紹介します。これと完全に同一の手順でなくても必要な情報を正しく登録すれば良いので手順としては他のパターンもあります。一つの例としてご覧ください。
注意
- 本情報は2018年4月23日に確認された情報です。支付宝は大掛かりな仕様変更がよく行われますので、ここで紹介した手順が今後ずっと有効であるという保証はありません。
アクティベーションの手順
電話番号の認証
アプリを最初に起動した時には電話番号の登録を求められます。日本のSIMが入っているスマートフォンで起動した場合には、自動的にSIMの電話番号が読み込まれ、日本の電話番号が表示されます。なお、支付宝のアカウント名はここで登録した電話番号になります。
験証番号の受信
電話番号を登録すると験証番号がSMSで届きます。登録した電話番号のSIMがセットされている端末で設定しているのであれば、自動的に受信したSMSの験証番号を読み込み次のステップに進みます。もし登録した電話番号のSIMが別の端末にセットされていればそちらでSMSを受信して手動で験証番号を入力して下さい。
ログインパスワードの設定
アカウントにログインするパスワードを設定します。くれぐれも忘れないように。忘れるくらいなら紙にメモしておいた方がマシです。支払いの際の暗証番号はまた別途設定しますのでこれとは別になります。
ID情報の登録へ
下部メニューの「Me」タブの画面で一番上の自分の名前をタップするとMy Accoutメニューが開きます。ここで「Identity Verification」→「Basic Information」のところで情報を入力します。
情報の入力に進もうとするとまずはpayment passwordの設定を求められますのでこれを設定します。
支払いパスワードの登録
支払いパスワードをを忘れると使い物にならなくなるので、これも忘れるくらいならメモしておいた方がマシです。これは支払いの際に毎回入力しなければならないので、日常的に使っていれば忘れることはあまり無いのですが、中国へ行った際にしか使わないような場合にはいざ使おうとすると思い出せないという事例をいくつも見てきました。支払いパスワードの紛失にはくれぐれもご注意下さい。
iPhoneや一部のAndroid機では、支払パスワードの代わりに指紋認証が使えます。普段指紋認証で支払いしているとやはり支払パスワードを忘れる恐れがありますので気をつけて下さい。
profileの入力
続いて「Continue to complete profile?」とID情報の登録を求められます。Country(Area) > をChinaからJapanに変更すると、ID TypeがID Card(中国人身分証)からPassportになりますので英文姓名とパスポート番号を入力します。
そしてここ で「Confirm and Submit」で銀行カード登録のステップに進むのですが、ここから登録すると中国の銀行カードしか通りません。(国際クレジットカードは受け付けられません)
クレジットカードの登録がうまくいかずに詰んでいる人は恐らくここなんじゃないかと思います。
ここは一旦ID VerificationをQuitします。
クレジットカードの登録・認証
下部メニューの「Me」タブの画面で一番上の自分の名前をタップするとMy Accoutメニューが開きます。ここで「Bank Cards」を選択します。
次の画面で「+Add cards」をタップしてクレジットカードを登録します。WeChat Payも同様ですが、全てのクレジットカードが登録出来るわけではありません。私が試したところ、AMEXとLINE PayのJCBはダメでした。VISA、Masterなら比較的通るカードが多いのではないかと思います。
Card Info.の登録
登録可能なクレジットカードであれば、カード番号を入力したら次の画面へ進めます。ここではクレジットカードの登録情報を入力します。
クレジットカードの認証が通れば添加成功です。
認証が通らない場合には、電話番号を国番号を付けずに090-xxxx-yyyy形式で入力してみるとか、郵便番号をxxx-yyyyのようにハイフンを入れてみるとか、入力表記を修正して試してみて下さい。クレジットカード会社に登録してある電話番号であるかどうかについても確認して下さい。(申し込み時に自宅の固定電話番号で申し込んでいるかもしれません)
クレジットカードの番号を入力し、情報を入力する画面まで進めたのなら、そのカードはOKなカードですので、認証情報の微修正で成功する可能性があります。NGなカードではカード番号入力した時点で「このカードはサポート外です」というメッセージが出て先に進めません。
銀行カードリストに(銀行カードではないですが)クレジットカードが登録されました。
これでアクティベーションは完了しました。しかしこの状態だと、QRコードで誰かからウォレットに送ってもらった送金を受領することは出来るのですが、ウォレットに入った残高から送金したり支払ったりしようとすると「Complete ID Info.」とID情報を求められます。
「Complete ID Info.」に進み、改めてID TypeでPassportを選択し、パスポートの情報を入力します。(先のパスポート番号入力時と少し画面が異なるので、内部的には違う項目へのエントリーとなっているのではないかと思います。)
これでお店での支払いにも誰かへの送金にも、Balance(ウォレット)が選択できるようになり、基本的な機能を全て利用することが出来る状態にまでセットアップが完了です。
支付宝のセットアップ 〜確認情報まとめ
確認情報まとめ
- 日本または中国の電話番号があればアクティベート出来、個人間送金の受け取りが可能となる
- QRコードスキャンによる支払いや個人間送金の支払いを行うためには、中国の銀行口座の登録またはクレジットカードの認証+パスポート情報の登録が必要
- 中国の銀行口座の登録またはクレジットカードの認証+パスポート情報の登録を行えば、登録は日本の電話番号でも構わない
- 中国の法律で、認証要素が3つに満たない場合にはウォレットからの決済は累計1000元までと定められているが、実際にはその制約は実装されておらず1000元を超えて使用できている(認証要素は中国の銀行口座・中国の電話番号・中国人身分証など)
以上、支付宝に関してこれまでに分かっていることに加えて最新の情報を盛り込み、使えるようになるまでの手引きをまとめました。最初にも述べましたが一人で確認出来る範囲は限界がありますので全ての条件を自分で試して検証出来るわけではありません。また日本人は人民元決済以外は出来ないため日本では店舗で実際に決済して試してみることも出来ません。ですのでここにまとめた情報が全て正しいという保証は出来かねます。また繰り返しになりますが法律や状況はよく変わりますので、紹介した情報が今後ずっと有効であるという保証はありません。以上を理解した上で、自身の責任でご利用下さい。
※注意
支付宝のセットアップ 〜銀行口座の登録
銀行口座の登録
個人商店でのQRコードスキャンによる支払いや、個人間送金を行えるようにするため、銀行口座の登録を行ってみます。
ここで注意すべきは、一番最初に登録した銀行口座の姓名登録情報が実名登録情報となります。これは後から変更出来ないため、登録する銀行口座の姓名登録情報に注意しましょう。
外国人の場合、銀行口座の姓名登録情報のパターンは以下の3つです。
- IIJIMATSUYOSHI(姓名スペース無し)
- IIJIMA_TSUYOSHI(姓+スペース+名)
- TSUYOSHI_IIJIMA(名+スペース+姓)
今は大体どこでも(姓+スペース+名)となるようですが、昔は(姓名スペース無し)が一般的でした。
個人的には、もし複数の銀行口座を持っているのなら、「IIJIMA_TSUYOSHI(姓+スペース+名)」のパターンの口座があるならそれを最初に登録した方が良いと思います。
今回は平安銀行の口座を登録してみます。
下メニューの「Me」(我的)から「Bank Cards」(银行卡)を選択し、「+Add cards」に進みます。
ID TypeはMainland Identity Card(中国身分証)ではなくPassportを指定します。
名前(Name)とパスポート番号(ID No.) と電話番号を入力します。
このプロセスは認証なので、ここで入力する情報は銀行口座を作成する際に銀行側に登録した情報と完全に一致している必要があります。
もし既に別の銀行口座を登録していて自動的に表示されてくる姓名登録情報と異なる場合には、ここで編集して今回の銀行口座の登録情報に修正してから登録することが出来ます。
電話番号も、支付宝アカウント作成に使用した電話番号ではなく、銀行口座に登録されている電話番号を指定して下さい。銀行口座に登録されている電話番号が失効や紛失等でSMS験証番号を受け取れない場合には登録出来ません。銀行の窓口に出向いて電話番号の登録変更手続きを行う必要があります。
Agree And BindCardを実行するとSMSで験証番号が届きますのでこれを入力し認証して下さい。
正しく認証出来ると銀行カードの追加が完了します。
ID情報の登録
銀行カードの登録が完了すると、個人商店でのQRコードスキャンによる支払いや個人間送金を行えるようになるのですが、ID情報の登録をしないと支払い元にウォレットを指定出来ません。(銀行カードから直接支払うことは出来ます)
なのでID情報の登録を行います。既に中国の銀行口座を登録しているのでパスポート画像をアップロードしての認証は必要ありません。パスポート情報を登録するだけです。(どの程度でたらめな情報を登録しても通るのかは試していません)
Meのタブの一番上の青い部分をタップすると「My Accout」メニューに進めますので「Identity Verification」を選択します。
Coutnry(Area)にJapanを指定し、ID TypeをPassportに変更してパスポート情報を入力します。
これで支払いに関する全ての機能が使えるようになりました。
こちらから金額を指定して送金(Scan/扫一扫)
相手のQRコードをスキャンし、こちらで金額を指定してウォレットから1元送金してみます。
一番上の青いメニューの一番左、Scanをタップします。中国語のメニューにしている場合には扫一扫です。
スキャナーが起動したら相手の提示したQRコードをスキャンします。
MethodはBalance(ウォレット)を指定します。当然ですがウォレット残高が送金金額に足りない場合には指定出来ません。
支払いパスワードを入力して送金を実行すると即座に相手側に着金します。
以上で支付宝のセットアップは完了です。
支付宝のセットアップ 〜アクティベーション
アクティベーションまでの手順
電話番号の登録
アプリを最初に起動した時には電話番号の登録を求められます。日本のSIMが入っているスマートフォンで起動した場合には、自動的にSIMの電話番号が読み込まれ、日本の電話番号が表示されます。登録は日本の電話番号でも構いませんが、日本の番号で登録した場合は中国大陸の銀行口座が無ければアクティベート出来ません。ここでは銀行口座が無い場合のアクティベーションの例とするため、中国大陸の電話番号で登録してみます。なお、支付宝のアカウント名はここで登録した電話番号になります。
日本の電話番号で登録した場合は81-90xxxxzzzzのようなアカウント名になります。
験証番号の受信
電話番号を登録すると験証番号がSMSで届きます。登録した電話番号のSIMがセットされている端末で設定しているのであれば、自動的に受信したSMSの験証番号を読み込み次のステップに進みます。もし登録した電話番号のSIMが別の端末にセットされていればそちらでSMSを受信して手動で験証番号を入力して下さい。
ログインパスワードの設定
アカウントにログインするパスワードを設定します。くれぐれも忘れないように。忘れるくらいなら紙にメモしておいた方がマシです。支払いの際の暗証番号はまた別途設定しますのでこれとは別になります。
これだけで最低限のセットアップは終了です。
送金を受け取ってみましょう。
QRコードによる請求(Collect/收钱)
一番上の青いメニューの左から三番目、Collectをタップします。中国語のメニューにしている場合には收钱です。
金額を指定しない場合には送金側が金額を指定しますが、受け取る側で金額を指定することも出来ます。
金額を指定した送金請求
1元と指定して請求してみます。金額を指定して請求した場合には送金側は金額を変更することは出来ません。
送金の受領
送金側がQRコードをスキャンして送金を実行すると即座にウォレットに着金します。支付宝は着金した際に金額をボイスで読み上げてくれる機能が実装されています。(お店に掲示してあるQRコードをこっそり貼り替えて自分の口座に送金されるという手法の詐欺事件があったための機能と思われます)
ウォレット残高の確認
ウォレット残高を見てみると残高1元となっています。
ここまでの手順で、誰かに現金を渡して相当分の金額を送金してもらいウォレットにチャージする、というところまでが実現します。
支払いパスワードの設定
このウォレット残高は支払いに使えるのですが、その前に支払いパスワード(暗証番号)を設定する必要があります。支払いパスワードをを忘れると使い物にならなくなるので、これも忘れるくらいならメモしておいた方がマシです。これは支払いの際に毎回入力しなければならないので、日常的に使っていれば忘れることはあまり無いのですが、中国へ行った際にしか使わないような場合にはいざ使おうとすると思い出せないという事例をいくつも見てきました。支払いパスワードの紛失にはくれぐれもご注意下さい。
初めてこちらから送金する際、またはQRコードで支払いをしようとすると、支払いパスワードの設定を求められます。
iPhoneや一部のAndroid機では、支払パスワードの代わりに指紋認証が使えます。普段指紋認証で支払いしているとやはり支払パスワードを忘れる恐れがありますので気をつけて下さい。
ここまでは銀行口座またはパスポートによる認証無しで、中国の携帯電話番号による認証のみで利用出来るようになります。しかしこちらがお店のQRコードをスキャンして支払う場合と、個人間の送金支払いには使えません。なので実用的に使うためには銀行口座の登録またはパスポートによる認証を行うべきでしょう。
支付宝(Alipay・アリペイ)のセットアップ
はじめに
注意
- 本情報は2018年4月現在の情報です。中国の法律やアプリの仕様変更、行政の方針その他の事情により状況はよく変わります。以前出来ていたことが突然出来なくなったりすることもよくありますので、ここに紹介した情報が今後ずっと有効であるという保証はありません。
- 一人で確認出来る範囲は限界がありますので、他の人にヒアリングした情報から推測した内容も含まれます。情報の信頼性はある程度評価した上で掲載していますが、全ての内容を私が保証することは出来ません。
- 微信支付・支付宝ともに、日本人は中国国内における人民元決済にしか使えません。日本のドン・キホーテやローソン等で網上支付が使える旨の表記がありますが、これは身分証で認証した中国人だけが使えるサービスです。(中国の法律による制約)
アップデート
2018年4月23日
- 日本の電話番号とクレジットカードの認証+パスポート情報の登録のみで一通りの機能が使えるようにアクティベーション出来ることが確認出来ました。
⇒ 支付宝のセットアップ 〜日本の電話番号とパスポートでアクティベーションへ
2018年4月14日
- 支付宝でもウォレットから銀行口座へ残高を引き出す際に手数料がかかるようになったという情報を盛り込みました。(2016年10月12日以降について累計で2万元を超えた以降0.1%)
2018年4月3日
- 中国の電話番号で認証すれば一通りの機能が使えるようにアクティベーション可能 → 中国の銀行口座またはパスポートによる認証が無いと送金・支払が出来ないよう仕様が変更されたことを盛り込みました。
- 日本のパスポートをアップロードすることによる認証も認証要素となるという情報が得られました。
微信支付とは
支付宝とは
微信支付と支付宝の違い、メリット・デメリット
微信支付
メリット
- 10億人規模のソーシャルベースがあるので友達への送金、割り勘機能の面で圧倒的なアドバンテージがある
- 日本のクレジットカードでアクティベート出来るので導入しやすい
※2018年4月現在、日本のクレジットカードでアクティベート出来なくなったという情報が複数確認されています。仕様変更なのか不具合なのか引き続き情報収集中です。
デメリット
- 決済機能はソーシャルアプリの一部なので決済だけを考えればメニューが深くなって使い勝手が悪い
- 起動時に地球を表示している1秒くらいの間待たされるので店舗での決済時にスムーズさに難あり
- ウォレットから銀行口座へ残高を引き出す際に、累計1000元を超えると手数料がかかる(0.1%)
⇒支付宝も同率の手数料がかかるようになったので優劣無く同等です(ただし微信支付は累計で1000元以上、支付宝は2万元以上) - 銀行口座を複数登録する際に、口座のアルファベット表記が完全一致していないと登録出来ない
支付宝
メリット
- 決済に特化したアプリなので決済だけを考えれば使い勝手が良い
- ウォレットから銀行口座へ残高を引き出す際に手数料がかからない
⇒現在では手数料がかかるようになりました - 中国の電話番号があればクレジットカードや銀行カード(口座)が無くてもアクティベート出来る
⇒中国の銀行口座またはパスポートによる認証が無いと送金・支払が出来ないよう仕様が変更されました(送金の受け取りは可能)
⇒日本の電話番号でも、クレジットカードの認証+パスポート情報の登録だけでアクティベート出来ることが確認出来ました - 微信支付のように誰かからまず送金してもらうという必要が無く、完全に自力でアクティベーション出来る
- メールや他のチャット等、支付宝アプリ外での送金手段が確保されており、アプリ内でのソーシャル繋がりに関わらず送金出来る
- 銀行口座を複数登録する際に姓名の表記を編集出来るため、口座のアルファベット表記が完全一致していなくても登録可能
- 利用に応じて芝麻信用のスコアが貯まる(芝麻信用についての説明はまた別途)
デメリット
- 日本のクレジットカードでアクティベート出来ない(登録は可能ですがアクティベーションにも決済にも使えないのでほぼ無意味です)
⇒クレジットカードの認証+パスポート情報の登録だけでアクティベート出来ることが確認出来ました