上海で銀行口座開設

※これは2017年11月8日のFacebookグループ、ニコ技深圳コミュニティへの投稿をhatenablogへ再掲したものです。最新の状況は当時と異なる可能性がありますのでご自身でご確認下さい。
 
2017年末頃に上海にしばらく滞在した際に、あちこちの銀行を回って幾つかの銀行口座の開設にチャレンジしてみた時のレポートです。元投稿はこちらです。
元投稿には他にも色々な有益情報が寄せられたスレッドが付いているので、そちらも一通り参考になると思います。

アップデート

2018年3月19日
  • 上海で「外国人は網上支付使えない」と言われた平安银行ですが、上海で作った口座を、深圳の支店で網上支付を開通することが出来ました。

上海で銀行口座開設のため銀行巡り

今回の上海滞在で可能な限り銀行口座を作りまくってみようと思ってあちこちチャレンジしてみたのですが、想像してたよりもずっと厳しかったです。
ただ改めて色々とわかったことも多かったので、今週末のMKF深圳行きの際に銀行口座開設を目論んでいる方も多いと思うので、参考になればと思いレポートします。

まず、改めて思ったのが、全国展開している銀行でも、上海と深圳と北京では全く事情が異なるということです。同じ看板を掲げていても実際には省毎(単位の大きさは不明ですが)に別の会社なので内規が異なるようです。イメージとしては、中国联通や中国移动のような感じでしょうか。上海では「現地の就業証明(工作証明)が必要」とあちこちで言われ、在住ビザについては問わない感じでした。「就労ビザのことか?」と聞いても「ビザじゃダメ」とのこと。ある意味これは対策しやすいというか、どこか知り合いの会社に頼んで形だけ書類発行してもらうとか、ちょっとリスキーだけど偽造しちゃうとか、なんとかしようがあるんじゃないかなと思います。居留許可証となる留学ビザや就労ビザは大使館・領事館が発行するので正規の手続きをふまないと手に入らないので。

一方、ちょうど先週、後輩が深圳で銀行口座作成にチャレンジした際には、どの銀行でも一様に「臨時居留証」を持ってこいと言われたそうです。これは詳しく聞いてみるとどうやら以前話題になった外国人臨時居留登記証(境外人员临时住宿登记单)のことのようでした。後輩はホテルが出してくれなかったので結局銀行口座は作れなかったのですが、これを持って行けば口座開設出来るのならかなり難易度は低いように思います。一点注意として、ホテルは昼間に公安に持って行って登記手続きするので、夕方以降にホテルに着いたら次の日の夕方以降でないと公安のスタンプが押してある外国人臨時居留登記証は手に入りません。なのでそれを持って銀行口座開設にチャレンジしようと目論んでる人は注意して下さい。公安のスタンプが押してないとダメということなので。ホテルのフロントで外国人臨時居留登記証のコピーをくれと言えばコピーしてくれます。ちなみに上海ではこれは一回も求められませんでした。北京でも中国工商銀行と华夏銀行で口座開設成功例を聞きましたがこれは求められなかったとのことです。

全般的な感想としては、外国人の銀行口座開設は相当に難しくなってきており、交渉で押し切れるような感触は無く、支店による差も無くなってきているように思いました。また、窓口の人によってはあまり詳しく把握してない人もいたのですが、誰かしら詳しい人はいるので確認されちゃうと結局はダメということになり、運良くわかってない人に当たったら出来ちゃったというのもあまり期待出来ない感じでした。

以上、地域毎の大まかな傾向の情報でした。
以下、銀行毎の結果をレポートします。

今回私は拉卡拉手环で使える銀行の口座が欲しかったので、招商银行、光大银行、平安银行、广发银行、西安银行、宁夏银行の中からチャレンジしました。最後の2つは上海に無かったので、実質的には招商银行、光大银行、平安银行、广发银行の4つ。

●招商银行

三箇所ほど支店を回ったのですが全て「現地の就業証明(工作証明)が必要と言われました。ホテル滞在ではだめでこちらにちゃんと住居が無いとダメと言われた支店もありました。
窓口でなく受付のおばちゃんも同様の回答が返って来たので徹底されていると思われます。
中国銀行と並んで開設難易度高の銀行リスト入り。

●光大银行

二箇所ほど支店を回ったのですが全て「現地の就業証明(工作証明)が必要」と言われました。
光大银行は日本のATMでの引き出しが月に何回かまで無料なのでぜひ作りたかったのですが断念しました。

●平安银行

パスポートのみで口座開設出来ると言われ開設はあっさり成功。納税番号書くところもあったので記入するべき?と聞いたら不要と言われました。
しかしようやく拉卡拉手环対応銀行の口座が手に入ったと思って拉卡拉手环に設定しようとしてもうまくいかず、支付宝の設定も出来ず。銀行のアプリで色々と見てみたら網上支付が有効になっていないような感じだったので、後日改めて窓口に行って「網上支付使えるようにしたいんだけど」と言ったら「外国人は網上支付使えないです」と言われ、「えー!」と絶句。他の銀行もそうなの?と聞いたら「中国銀行とか工商銀行とかは出来るからそちらへどうぞ」とのこと。
一応作るには作ったけど住んでない外国人にとって網上支付が使えないなんて全く意味が無いので、この口座はおそらく放置されることでしょう。(前述の通り深圳でも同様かは不明)

●广发银行(広発銀行)

聞いたことも無かったマイナーな銀行で、調べたら上海に一店舗しかないようなのですが、たまたま泊まっていたホテルの近くだったので拉卡拉手环対応銀行最後の砦として行ってみたところ、口座開設出来ました。
マイナーな銀行で土曜日で客もほとんどいなかったためか、支店長級の落ち着いたおばさんが終始親切に対応してくれて、銀行アプリの設定も銀行にいるうちに全部済ませてお店出ていく時に笑顔で挨拶され、こんな好感度の銀行は初めてでちょっと感動でした。お役所対応の中国銀行はほんと見習って欲しい。

念願の拉卡拉手环にも設定することが出来て、今回の目標は一応達成しました。广发银行なんてマイナーなのでATMはほとんど見かけませんが、もはや完全に電子マネー天国と化した中国では現金を引き出すということがほとんど無いのでATMが多いということはあまり重要ではないと思います。

 

めでたく拉卡拉手环で闪付が使えるようになったので、いくつか対応銀行以外もチャレンジしてみました。

●中信银行

土曜日で2時間待たされた後窓口で、外国人の口座開設は月から金までの平日に来店するように言われたので再訪しませんでした。(これはこの支店の事情だったと思われます。外国人の口座開設は麻烦だからと言われました。人員の少ない土曜日は受け付けないということでしょう。)
パスポートで開設は可能と言われましたが完遂していないので本当に開設までいけるのかは不明。でも窓口で平日に来店するように言われたのでおそらく口座開設可能なんじゃないかなと思われます。

●华夏银行

納税番号とパスポートがあれば作れるとのことでしたが、なんと!外国人は一年毎に口座の更新が必要とのこと。
「他の銀行はそんなことないけど?」と言ったら「そうなんだよねー、昔と状況が違うので」とのこと。
窓口のお姉さんに「作れることは作れるけどそういうわけだからオススメしないですよ。向かいの农业银行に行ったほうがいいよ。」と言われました。(笑)
华夏は光大银行と並んで日本でのATM引き出しが月に何回かまで手数料無料なので作りたかったんだけど、さすがに毎年更新は実用的じゃないので「じゃぁいいです」と諦めました。

●建設银行

パスポートのみであっさり口座開設成功。
納税番号は記入させられました。
就業証明(工作証明)もビザも何も聞かれなかったので、今回一番容易に口座開設出来ました。

●农业银行(農業銀行)

パスポートでも開設出来ることは出来るけど、書類を提出して審査が通らないと開設出来ない、審査通過はいつになるかわからないし長い時間がかかるから激しくオススメしないよ、と言われたので断念しました。
案内係のおばちゃんが「审批」が必要と盛んに言ってたのですが、最初「审批」と聞いてもわからなくて紙に漢字を書いてもらっても意味が分からず。(笑)「审批」って何?と聞いて説明されても全然分からなかったので日本語が出来る中国人に電話して代わって説明してもらうことに。
人のいい案内係のおばちゃんに「あっちにちょっと歩いていくと工商銀行があるからそこ行きな」と親切にも他行を勧められましたが、あちこちの銀行で勧められる中国工商銀行は偉大ですね。「ありがとう、でも中国工商銀行の口座はもう持ってるんだよねー」と思いながら农业银行を後にしました。

 

以上、銀行口座の開設を目論んでいる皆様の参考になれば。
でも前述の通り、上海と深圳では全く状況が異なると思われるので、銀行個別の状況は全く参考にならないかもしれません。あくまで「こういうケースもあった」という参考になれば。

あとおまけ情報ですが、銀行巡りするならMobikeのアカウントを開いて使えるようにしておいた方がいいです。Mobikeあるのとないのとでは回れる数が全然変わってきますので。Mobikeアカウントは日本の電話番号と日本のクレジットカードで作れます。もし中国の電話番号を持っているなら、電動自転車(享骑电单车 http://www.xqchuxing.com/)の方がオススメかも。Mobikeは降りて銀行に入るたびに返却しないといけないけど、享骑电单车はロックしてキープ出来るので、銀行に入って聞くたびに新たにレンタルする必要がありません。ただしMobikeと違って返せる場所が限定されているので、どこにでも乗り捨てられるわけじゃないのがちょっと難点ですが、銀行巡りには向いていると思います。