支付宝(Alipay・アリペイ)のセットアップ

はじめに

地域にもより時期に差はありますが、中国ではここ2年くらいの間にものすごい勢いで網上支付(=スマホ決済/微信支付:WeChat Pay・支付宝:Alipay)が普及してきており、完全に電子マネー社会となっています。最近では現金決済不可という店舗もちらほら出てきています。中国を訪れる人は人民元現金よりも網上支付の準備が必要になって来ているという状況です。日本人にとっては一般的には微信支付の準備の方が簡単であり利用頻度も高いので、まずは微信支付を準備することになるかと思います。
 
微信支付を使えるようにするまでの手順は日本で最も著名なSHAOさんのブログ(中国に住んでない僕らが WeChat Pay を有効化して使う方法 )で詳しく紹介されていますので、私は支付宝のセットアップについてご紹介しようと思います。

注意

  • 本情報は2018年4月現在の情報です。中国の法律やアプリの仕様変更、行政の方針その他の事情により状況はよく変わります。以前出来ていたことが突然出来なくなったりすることもよくありますので、ここに紹介した情報が今後ずっと有効であるという保証はありません。
  • 一人で確認出来る範囲は限界がありますので、他の人にヒアリングした情報から推測した内容も含まれます。情報の信頼性はある程度評価した上で掲載していますが、全ての内容を私が保証することは出来ません。
  • 微信支付・支付宝ともに、日本人は中国国内における人民元決済にしか使えません。日本のドン・キホーテやローソン等で網上支付が使える旨の表記がありますが、これは身分証で認証した中国人だけが使えるサービスです。(中国の法律による制約)
 

アップデート

2018年4月23日
2018年4月14日
  • 支付宝でもウォレットから銀行口座へ残高を引き出す際に手数料がかかるようになったという情報を盛り込みました。(2016年10月12日以降について累計で2万元を超えた以降0.1%)
2018年4月3日
  • 中国の電話番号で認証すれば一通りの機能が使えるようにアクティベーション可能 → 中国の銀行口座またはパスポートによる認証が無いと送金・支払が出来ないよう仕様が変更されたことを盛り込みました。
  • 日本のパスポートをアップロードすることによる認証も認証要素となるという情報が得られました。

微信支付とは

微信支付はテンセントが提供するSNSをベースに、決済機能を組み込ませたスマホアプリです。ソーシャル+チャット+決済という感じで日本のLINEとほぼ同じ機能です。

支付宝とは

支付宝はアリババが提供する淘宝というショッピングサイトから、決済機能だけを抜き出してスマホアプリとして提供されているイメージです。AmazonYahoo!等ECをビジネスにしている会社は軒並みこれと同じ展開を模索しているところです。
 
今回は利用開始までの手順にフォーカスするため、微信支付や支付宝に関しての説明は最小限に留めます。
 

微信支付と支付宝の違い、メリット・デメリット

微信支付

メリット
  • 10億人規模のソーシャルベースがあるので友達への送金、割り勘機能の面で圧倒的なアドバンテージがある
  • 日本のクレジットカードでアクティベート出来るので導入しやすい
    ※2018年4月現在、日本のクレジットカードでアクティベート出来なくなったという情報が複数確認されています。仕様変更なのか不具合なのか引き続き情報収集中です。
デメリット
  • 決済機能はソーシャルアプリの一部なので決済だけを考えればメニューが深くなって使い勝手が悪い
  • 起動時に地球を表示している1秒くらいの間待たされるので店舗での決済時にスムーズさに難あり
  • ウォレットから銀行口座へ残高を引き出す際に、累計1000元を超えると手数料がかかる(0.1%)
    支付宝も同率の手数料がかかるようになったので優劣無く同等です(ただし微信支付は累計で1000元以上、支付宝は2万元以上)
  • 銀行口座を複数登録する際に、口座のアルファベット表記が完全一致していないと登録出来ない

支付宝

メリット
  • 決済に特化したアプリなので決済だけを考えれば使い勝手が良い
  • ウォレットから銀行口座へ残高を引き出す際に手数料がかからない
    現在では手数料がかかるようになりました
  • 中国の電話番号があればクレジットカードや銀行カード(口座)が無くてもアクティベート出来る
    中国の銀行口座またはパスポートによる認証が無いと送金・支払が出来ないよう仕様が変更されました(送金の受け取りは可能)
    日本の電話番号でも、クレジットカードの認証+パスポート情報の登録だけでアクティベート出来ることが確認出来ました
  • 微信支付のように誰かからまず送金してもらうという必要が無く、完全に自力でアクティベーション出来る
  • メールや他のチャット等、支付宝アプリ外での送金手段が確保されており、アプリ内でのソーシャル繋がりに関わらず送金出来る
  • 銀行口座を複数登録する際に姓名の表記を編集出来るため、口座のアルファベット表記が完全一致していなくても登録可能
  • 利用に応じて芝麻信用のスコアが貯まる(芝麻信用についての説明はまた別途)
デメリット
  • 日本のクレジットカードでアクティベート出来ない(登録は可能ですがアクティベーションにも決済にも使えないのでほぼ無意味です)
    クレジットカードの認証+パスポート情報の登録だけでアクティベート出来ることが確認出来ました

どちらを使うべきか

これから初めて網上支付をセットアップしようという方は、まず微信支付から準備することをお勧めします。日本のクレジットカードでアクティベート出来ますし、ソーシャルベースの個人間送金は店舗での決済に次いでよく使います。中国によく行く、ある程度長く滞在する、淘宝でショッピングする、複数の銀行口座を持っている、というくらいになって来たら支付宝のセットアップも考えるべきでしょう。
※2018年4月現在、日本のクレジットカードでアクティベート出来なくなったという情報が複数確認されています。仕様変更なのか不具合なのか引き続き情報収集中です。
 
一通り最低限の知識を得たところで、実際にセットアップの手順に進みましょう。